介護が必要になった親のサポートには、時間や体力だけでなく経済的な負担も伴います。兄弟姉妹が複数いる家庭では「どのように費用を分担するか」が大きな課題であり、感情面のすれ違いや不公平感が生まれやすいテーマです。この記事では、兄弟間での介護費用分担の具体的な方法や話し合いのコツ、注意点を詳しく解説します。
介護費用の内訳を明確にする
まずは介護にかかる費用を「どれくらい必要か」「何に使うのか」を可視化しましょう。費用の内訳を具体的に把握すると、話し合いの前提が整い納得感のある分担方法を検討できます。

主な費用項目
- 在宅介護サービス・施設利用料:訪問介護やデイサービス、ショートステイ、介護施設の費用。
- 福祉用具の購入・レンタル費用:介護ベッド、車椅子、ポータブルトイレなど。
- 交通費・送迎費用:通院や買い物、外出付き添いのための費用。
- 日用品・食費の増加分:介護食や衛生用品、オムツなどの購入費用。
- 住環境整備費:手すり設置や段差解消など住環境を整えるための費用。
💡ケアマネジャーや福祉用具専門相談員に相談すると、介護保険で賄える費用や補助制度の対象になる費用も確認できます。
費用分担の方法と具体例
ここでは、代表的な4つの分担方法を紹介し、それぞれの特徴とよくあるケースを解説します。
| 分担方法 | 特徴 | おすすめの家庭像 |
|---|---|---|
| 均等割り | 全員が同額を負担するシンプルな方法 | 収入差が少ない兄弟姉妹 |
| 所得に応じた分担 | 収入や生活状況に応じて柔軟に負担割合を設定 | 収入差が大きい兄弟姉妹 |
| 金銭以外の貢献を評価 | 介護労力や時間的支援も「負担」として公平に評価 | 同居している兄弟姉妹がいる家庭 |
| 親の資産を活用 | 年金や貯金、保険などを利用して費用をまかなう | 親に十分な資産がある家庭 |
1. 均等割りで分担する
👉 こんな家庭におすすめ: 兄弟間に収入差が少なく、公平な負担を望む場合。
兄弟姉妹全員が同じ金額を出し合い、介護費用を平等に分担する方法です。収入差があまりなく、家族全員が公平感を重視したいときに適しています。
パターン例:兄弟3人で毎月9万円の介護費用を3万円ずつ負担し、現場介助も交代制で担当。
2. 所得や生活状況に応じて割合を決める
👉 こんな家庭におすすめ: 兄弟間で収入差や生活事情に大きな違いがある場合。
収入や生活状況に応じて負担額を変える方法です。収入に余裕のある兄弟が金銭的に多く負担し、時間的に余裕がある兄弟が現場でサポートするなど、柔軟な対応ができます。
パターン例:年収800万円の兄が7万円、年収500万円の妹が3万円を負担。
3. 金銭以外の貢献を評価する
👉 こんな家庭におすすめ: 同居介護や日常的な支援を担っている兄弟がいる場合。
同居して介護をしている家族の労力を金銭的負担と同等に評価する方法です。直接の金銭負担だけでなく、介護の時間や精神的なサポートも考慮します。
パターン例:同居する次女が日常介護を担い、長男は金銭面を多くサポート。遠方の兄弟は交通費を負担し、帰省時に集中してケアを担当。
4. 親の資産や制度を活用する
👉 こんな家庭におすすめ: 親にある程度の年金や貯金がある場合。
親の年金や貯金を活用して介護費用を補い、不足分を兄弟で負担します。介護保険や高額介護サービス費制度を利用すれば、家族の負担を大幅に減らせます。
パターン例:親の資産で7割を賄い、残り3割を兄弟で均等または収入に応じて負担。
話し合いの進め方
- 情報共有の徹底:介護状況や必要費用を透明化し、兄弟全員が共通認識を持てるようにします。
- 役割分担の明確化:資金負担を担う人・現場で支援する人など、役割を決めることで不満を防止。
- 早めの話し合い:介護が始まる前や初期段階での話し合いで、心に余裕を持った準備が可能です。
- 第三者を交える:ケアマネジャーや社会福祉士などの専門家を交えると冷静な判断に役立ちます。
注意点
- 話し合いの記録を残す:決定事項や支出履歴を記録し、誤解やトラブルを防ぎます。
- 第三者の意見を取り入れる:ケアマネジャーや専門家が参加すると話し合いがスムーズです。
- 法的・税制の視点も確認:兄弟間での資金のやり取りは贈与扱いになるケースもあり、贈与税や相続の際の評価に影響することがあります。事前に税理士や専門家へ相談し、契約書や覚書を作成すると安心です。
- 法的仕組みを活用する:成年後見制度や家族信託などを利用して公平性と安心感を高めましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 兄弟の一人だけが介護していて不公平です。どうすれば?
A. 金銭的な負担と時間的な負担のバランスを取るため、介護の可視化・記録や役割の明確化が重要です。
Q. 金銭分担をしたら贈与税がかかりますか?
A. 継続的な援助でも、贈与とみなされるケースがあります。念のため契約書や領収書を残し、税理士へ相談しましょう。
Q. 兄弟間で話し合いがまとまりません。
A. 第三者(ケアマネジャーや行政の相談窓口)を交えると冷静な話し合いが可能です。
まとめ
兄弟間の介護費用分担は、金銭面だけでなく時間や気持ちの負担も含めて考えることが大切です。家族の状況に応じた4つの分担方法を理解し、それぞれのメリットと注意点をふまえたうえで、納得できる分担方法を選びましょう。
特に、収入の差や介護への関わり方に偏りがある場合は、金銭的な平等よりも“実質的な公平”を意識することが重要です。
話し合いは早めに行い、記録や第三者の力を活用して、家族全員が納得できる形で親を支える体制を整えることが、心のゆとりと安心につながります。
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兄弟間の費用分担や、介護サービスの活用で悩んでいる方は、ぜひ一度専門家や介護支援サービスに相談するのもよいと思います。
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必要なタイミングで、必要なサポートを受けることで、家族みんなが無理なく介護と向き合える環境づくりが実現できます。



