「お墓を継がない」子ども世代に伝えるべきこと・準備すべきこと

「親の気持ちを傷つけるんじゃないか」「自分が冷たいと思われたらどうしよう」そんな不安から、お墓の話を先延ばしにしていませんか?

少子高齢化や核家族化が進む中、「お墓を継がない」という選択肢をとる家庭が増えています。 しかし、親から子へこの意志をどう伝えるか、また子の側もどう受け止めるかは、家族間のデリケートなテーマです。

この記事では、親の想いと子の本音に寄り添いながら、スムーズに話を進めるための準備や伝え方、具体的な備えについて解説します。

1. 「自分の代で終わらせたい」親の想いと子の本音

👵 親側の気持ち👨‍👩‍👧 子どもの本音
子どもに負担をかけたくない遠方に住んでいて通えない
自分の死後、無縁仏にしたくない費用や管理が重荷
維持管理が難しくなってきた継ぐように言われるのがプレッシャー
墓守の継承者がいない自分の代でもまた墓じまいが必要になるかも…と不安

近年の調査(ニッセイ基礎研究所「終活に関する調査2022」)によると、「自分の代で墓じまいを考えている」「子どもにはお墓を継がせたくない」と回答した人は全体の約6割にのぼります。

これは、供養のあり方が多様化してきた現代の価値観を反映したものと言えるでしょう。

✅ お墓を継ぐかどうかは「家族で共有すべき価値観の問題」。親が元気なうちに話しておくことが、双方の安心につながります。

💬 実際の家族の会話シーン

「最近、お墓のことが気になってて…」と娘が切り出そうとしたが、母の機嫌が悪そうで黙ってしまった。そんな体験を持つ人も少なくありません。

2. 継がない選択を伝えるときの言葉の選び方

お墓に対する価値観は世代で異なります。 「継がない」と伝えるときには、感情に配慮しつつ、誠実な言葉を選ぶことが大切です。

伝え方のヒント

  • 「私が元気なうちに、先のことをちゃんと整理しておきたくて…」
  • 「お墓を継がせることにこだわりすぎず、負担のない形で供養できたらいいなと思ってる」
  • 「お墓のことで揉めたり困ったりしてほしくないから、今のうちに決めたい」
  • 「ちゃんと手を合わせる場所は考えているよ。大切に想ってるからこそ、無理のない形にしたいんだ」

🧠 ポイント: 一方的な決定ではなく、「相談したい」「一緒に考えたい」という姿勢を大切に。

親からの言葉に救われた子どもの声

40代男性
40代男性

「“無理に継がなくていいよ”と言われて、ホッとした。逆に、何かしてあげたいという気持ちが芽生えました。」

30代女性
30代女性

「一度、親に『本当にお墓をどうしたい?』と聞かれ、逆に考えるきっかけになった。ずっと受け身だったが、供養について話し合えてよかった」

3. 家族の意思を尊重しつつスムーズに進める方法

話し合いの前提として、まずは「相手の気持ちを尊重する」ことが大切です。

話し合いの流れ

  1. 家族全員で話し合う機会を持つ(法事や帰省時など)
  2. 継がない理由・考えを率直に伝える
  3. 意見の違いがあっても頭ごなしに否定しない
  4. 専門家(終活アドバイザー・行政書士など)に相談も視野に
  5. 具体的な選択肢(改葬・永代供養など)を一緒に考える
  6. 話し合いの内容をエンディングノートや記録に残す

話し合い前のチェックリスト

  • 継がないことへの自分の気持ちは整理できているか?
  • 代替案(永代供養・樹木葬など)は調べてあるか?
  • 家族の反応を想定した準備はできているか?
  • 「供養したい気持ちはある」という思いを伝える用意があるか?

🚫 注意すべき伝え方(NG例)

  • ❌「もう継がないって決めたから」→ 一方的に聞こえ、相手が拒絶されたと感じることも
  • ❌「今どきお墓なんていらないでしょ」→ 親世代の価値観を否定する言い方

🔍 豆知識:「お墓を継がない=親不孝」ではありません。今の時代の供養のあり方は多様化しており、大切なのは“気持ち”の部分です。

4. エンディングノート・生前契約でできる備え

話し合いが済んだ後は、言葉だけでなく記録にも残しておくと安心です。

エンディングノートに書くべき内容

項目記入例
お墓の希望永代供養(宗教儀礼なし)を希望
継がせたくない理由子どもに負担をかけたくないため
供養方法の希望樹木葬など自然に還る形で
メッセージありがとう、心配しないで前に進んでね

生前契約でできること

  • 永代供養の契約を自分の意思で済ませておく
  • 改葬手続きを行政書士などに依頼しておく
  • お墓の撤去費用などの準備
  • 死後事務委任契約や葬儀・納骨の希望を文書で明確化

🧾 書面で残すことで、後に家族が「聞いてなかった」「知らなかった」と揉めるのを防げます。

まとめ|「継がない選択」も、家族愛のかたち

お墓を継がない決断は、決して“無責任”ではありません。 それぞれのライフスタイルや想いを大切にしながら、家族で納得できる着地点を見つけていくものです。

まずは、家族と「お墓のこと、少し話してみようか」と一言交わすことから始めてみませんか?

それが、これからの時代に求められる“やさしい終活”のあり方です。

よくある質問(FAQ)

Q1. お墓を継がないとどうなるの?
A. 継ぐ人がいない場合、最終的には無縁仏になる可能性があります。その前に永代供養や改葬などの対策を講じることが重要です。

Q2. 親に継がないと言ったら怒られませんか?
A. 最初は驚かれるかもしれませんが、「負担をかけたくない」「今の時代に合った供養を考えたい」という前向きな姿勢で伝えることが大切です。

Q3. 永代供養って高い?
A. 寺院や施設により費用は異なりますが、一般的に10万〜50万円程度が目安です。年間管理費が不要なプランもあります。

Q4. エンディングノートって法的効力はあるの?
A. 法的拘束力はありませんが、家族に想いを伝えるツールとしては非常に有効です。生前契約などと併用するのがおすすめです。