「お墓は家族と入るもの」そんな常識が、いま静かに変わりつつあります。近年話題を集めているのが、“墓友(はかとも)”という新しい供養の形です。家族ではなく、人生を共に歩んできた友人と「最期の場所を分かち合う」という選択です。
少子高齢化、未婚率の上昇、子どもに迷惑をかけたくないという想い。こうした社会の変化を背景に、“墓友”という言葉に共感する人が増えています。たとえば、東京都の八王子霊園や大阪市設南霊園などでも「墓友プラン」が登場し、自治体レベルでも注目されています。
「もし自分がいなくなった後、誰が供養してくれるのか…」そんな不安を抱える方にとって、“墓友”は心強い絆でもあります。
この記事では、墓友という選択の仕組みから契約の流れ、そしてメリット・デメリットまでをやさしく解説します。あなたの“最後の居場所”を考えるヒントにしてください。
墓友とは?

“墓友”とは、家族や親族ではなく、生前に信頼関係を築いた友人同士で共同の墓(合同墓)に入る契約を結ぶ人たちのことです。お互いの死後の供養や埋葬について、希望を共有しながら寺院や霊園と契約を結ぶのが一般的です。
多くは「生前契約型の合同墓」として運営されており、宗教や宗派を問わず利用できるケースが増えています。近年では、都市部を中心に“墓友プラン”を用意する霊園も登場しています。
💡大切な友人と最期まで寄り添う安心を持てることが、墓友の大きな魅力です。
墓友を選ぶ理由
墓友を選ぶ人が増えている背景には、次のような想いがあります。
- おひとりさまでも安心できる場所を持ちたい
- 子どもや親族に迷惑をかけたくない
- 自分と同じ価値観の友人と一緒に眠りたい
- 自分の希望する供養方法を生前に決めておきたい
例えば、長年独身で過ごしてきた女性が、旅行仲間と「死後も一緒に眠ろう」と約束して合同墓を選ぶ──そんな温かいエピソードもあります。
墓友・合同墓の仕組み

大切な人と安心して眠るために、まずはその仕組みを知っておきましょう。
墓友が入るお墓は、主に以下の2種類があります。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 合同墓(共同墓) | 複数人の遺骨を同じ墓石の下に納める。宗教・宗派不問で永代供養付きが多い。初期費用が抑えられる。 |
| 個別区画型合同墓 | 一人ずつ骨壺を個別に安置し、一定期間後に合祀されるタイプ。プライバシーを保ちつつ、将来は永代供養される。 |
🕊️ 契約までの流れ
- 資料請求・問い合わせ
- 現地見学・説明会参加
- 墓友同士での話し合い・希望確認
- 霊園との契約手続き
- 埋葬・供養開始
契約時には霊園や寺院と「永代供養契約」を結ぶことが多く、維持管理や供養は施設側が継続して行います。生前契約の形を取ることで、死後の手続きや費用負担を明確にできる点も安心です。
墓友のメリット
💡 要約: 墓友は「安心・経済的・自分らしさ」が叶う供養スタイルです。
- 子どもや親族に負担をかけない
永代供養付きで、墓じまいや管理の手間が不要です。 - 気の合う仲間と同じ場所で眠れる安心感
血縁に縛られず、人生観を共有できる友人と共に安らげます。 - 生前契約で希望を実現できる
供養の方法や墓石のデザインまで、自分らしく選べます。 - 費用を抑えやすい
一般的な家族墓(約100〜150万円)に比べ、合同墓は初期費用30万〜50万円前後、年間管理費も数千円〜と経済的です。
墓友のデメリット
とはいえ、注意すべき点もあります。以下の点を押さえておきましょう。
- 契約メンバー間でトラブルになる可能性
契約内容や費用分担で意見が食い違うことも。- 契約書サンプルを事前確認する
- 第三者(行政書士など)を立ち会わせる
- 年1回程度で契約内容を再確認する
- 霊園や寺院の運営リスク
永代供養でも、運営母体が変わる可能性があります。 - 感情的な面での寂しさ
友人が先に亡くなった場合、「自分だけが残る」という喪失感を感じることもあります。 - 家族に理解されにくい場合も
「友人と同じお墓に入る」という発想に抵抗を感じる家族もいます。
それでも、多くの人が“信頼できる関係と安心を形にしたい”と、この道を選んでいます。
墓友契約を結ぶ際のポイント
安心して選ぶために、以下の点を確認しておきましょう。
- 契約内容(埋葬方法・期間・永代供養の有無)
- 管理費・供養料の支払い方法
- 名義変更・解約時の対応
- 契約メンバーが減った場合などの解散対応
🔍 霊園選びのチェックリスト
- 運営年数や実績が十分か
- 永代供養の実績や信頼性があるか
- アクセス・立地の良さ
また、公正証書や死後事務委任契約を行政書士に依頼する場合、費用はおおむね3〜10万円ほど。専門家に確認しておくと安心です。
墓友に向いている人・向かない人
🧭 墓友は“自分の意志で最期を選びたい人”に向いています。
向いている人
- 一人暮らし・子どもがいない方
- 価値観を共有できる友人がいる方
- 家族に迷惑をかけたくない方
- 自分らしい終活をしたい方
向かない人
- 家族中心の供養を望む方
- 将来的にお墓を引き継ぐ予定がある方
- 合祀や共同墓に抵抗がある方
墓友を検討する人におすすめのステップ
- 情報収集から始める
自治体・霊園サイトや終活フェアで最新情報を集めましょう。 - 見学・相談を行う
実際の霊園を見て、雰囲気やアクセスを確認します。 - 友人同士で話し合う
費用分担や供養内容を明確にしておくと安心です。 - 正式契約へ進む
書面契約を結び、専門家に確認してもらうことでトラブル防止になります。
墓友を選んだ人の声

一人じゃない安心感がある。生前から友人と準備を進められたことで、心に余裕ができました。

価値観の合う仲間と、最期まで一緒にいられるのがうれしい。

家族に頼らず、お互いを尊重しながら生きる仲間とつながれて良かった。
まとめ:これからの時代の“墓友文化”
“墓友”という新しい供養の形は、「家族に頼らず、自分らしく生きる」時代の象徴です。
信頼できる友人と最期まで寄り添う──その選択は、孤独ではなく“絆”のかたちでもあります。
今後は、終活フェアやオンラインコミュニティなどを通じて、墓友を見つける文化がさらに広がっていくでしょう。
🌸 “一人じゃない”終活の安心を感じながら、自分の未来をデザインしてみてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 墓友と永代供養の違いは何ですか?
A. 永代供養は霊園や寺院が供養や管理を代行してくれる制度で、個人・家族・友人関係なく利用できます。墓友は、友人同士でお墓に入るという人間関係に焦点を当てた仕組みです。多くの場合、墓友プランにも永代供養が含まれています。
Q2. 墓友契約は途中で変更できますか?
A. 多くの霊園では、契約内容の一部変更や追加が可能ですが、メンバーの変更には全員の同意や新しい契約が必要です。トラブルを防ぐためにも、契約書に変更手続きの方法を明記しておきましょう。
Q3. 家族に内緒で墓友契約を結んでも大丈夫?
A. 法的には可能ですが、後々の誤解を避けるためにも家族には伝えておくことをおすすめします。エンディングノートや遺言書で意思を明確に残すのも有効です。
Q4. 墓友同士で費用をどう分担すればいいですか?
A. 事前に「一括払い」か「分割払い」かを決め、全員が同じ条件で支払うのが一般的です。代表者を立ててまとめて支払う場合は、領収書や契約書に署名を全員で残しておくと安心です。
Q5. もし墓友が先に亡くなった場合、どうなるの?
A. 契約内容に基づき、先に亡くなった方が埋葬され、残りのメンバーはその後に同じお墓に入る形になります。霊園や寺院によっては、順番に合わせてプレートを追加したり、合同法要で供養を行うケースもあります。




