認知症で資産が凍結される?その理由と対策をわかりやすく解説

親が認知症になったとき、何が一番困るのか、そのひとつが「資産凍結」です。銀行口座からお金が引き出せない、自宅を売却できない、介護費用が払えない…。そんな状況が、突然家族を襲うこともあります。

「まだうちの親は元気だから大丈夫」そう思っていても、いざというときの備えがあるかないかで、大きく未来が変わります。

この記事では、認知症による資産凍結の仕組みとそのリスク、そして事前に取れる具体的な対策をわかりやすく解説します。


第1章:なぜ認知症で資産が凍結されるのか?

認知症と判断能力の低下

認知症になると、記憶力や理解力、判断力が低下し、契約や資産管理などの重要な意思決定が難しくなります。銀行や行政機関では「本人の意思能力」を重視しており、それが不十分と判断されると、家族であっても手続きができないケースが多く発生します。

資産凍結とは?

資産凍結とは、以下のように本人が自由に財産を管理・処分できない状態を指します。また家族であっても法的な代理権がなければ手出しができません。

  • 銀行口座の出金・名義変更・解約手続き
  • 不動産の売却や相続・名義変更
  • 株式や投資信託などの金融資産の操作
  • 介護施設の入居契約や解約手続き

銀行や法務局の対応

金融機関では、高齢者の意思能力が疑われる場合、医師の診断書や成年後見制度の利用を求められることがあります。不動産登記などの法務手続きでも、本人の判断能力が必要な場面では書類の受理を断られるケースが少なくありません。

【事例】80代の母の口座が使えなくなったケース

80代女性が軽度の認知症と診断された後、施設入居費の支払いのために娘が銀行に行ったところ、「本人の意思確認ができない」として引き出しを拒否されました。結果的に成年後見制度の申し立てを行い、費用と時間がかかってしまいました。


第2章:認知症による資産凍結が及ぼす影響

医療・介護費の支払いができなくなる

認知症の進行により入院や介護が必要になった場合でも、本人の預金が引き出せなければ、介護施設の入居金や月額利用料、病院への支払いに困ることがあります。

不動産売却や相続対策が進められない

本人名義の自宅を売却して介護費用に充てようと考えても、本人の判断能力が喪失していれば売買契約を結ぶことができません。相続対策や贈与、財産整理も滞るリスクがあります。

家族間でのトラブルに発展

「父の預金を使って施設費用を払いたいのに、兄弟間で合意が得られない」「誰が後見人になるのかでもめている」など、資産の取り扱いを巡って家族間に深刻な対立が生じることも。


第3章:資産凍結を防ぐための主な対策

任意後見・家族信託・法定後見の違い(比較表)

対策手段契約主体開始時期柔軟性家庭裁判所の関与
任意後見本人が指定判断力があるうち高いあり
家族信託本人と受託者判断力があるうち非常に高いなし
法定後見家庭裁判所が選任判断力喪失後低めあり(強い)

1. 任意後見制度を活用する

本人がまだ元気なうちに信頼できる人を後見人として指定し、将来の備えとして公正証書を作成します。判断能力が失われたときに効力が発動され、スムーズな資産管理が可能になります。

2. 家族信託(民事信託)

財産の名義は本人のまま、管理・運用・処分の権限を家族に委ねる仕組み。認知症発症後もスムーズに財産管理を続けられるようになります。

3. 生前贈与・遺言書の準備

あらかじめ財産を家族に移すことで、凍結リスクを減らすことができます。特に自筆証書遺言より公正証書遺言がおすすめです。


第4章:認知症と診断された後の対応は?

家庭裁判所への後見申し立て

判断能力に欠けるとされた場合は、家庭裁判所での成年後見制度の利用が必要です。

成年後見人の役割と制限

後見人には報告義務があり、家庭裁判所の監督の下で資産管理を行います。柔軟な意思決定は難しくなります。

家族の戸惑いや不安

突然の診断でどうしたらよいか分からない…というケースも多く、初動での「誰に相談すればよいか」が大きな分かれ目になります。地域包括支援センターや専門家にまずは相談を。


第5章:資産凍結リスクに備えて、今できること

  • 家族で財産内容や希望を共有し、話し合いの場を持つ
  • 専門家(司法書士、行政書士、弁護士)に早めに相談する
  • 地域の無料相談会やセミナーを利用する
  • 高齢の親を持つ子ども世代も「自分ごと」として対策を考える

今すぐ始められるチェックリスト

  • □ 家族と財産状況について話し合ったことがある
  • □ 遺言書や後見制度について調べたことがある
  • □ 不動産や預貯金の名義を把握している
  • □ 専門家に相談したことがある or 相談の予定がある

よくある質問(FAQ)

Q. 認知症と診断されたらすぐに資産は使えなくなりますか?
A. 病名の診断だけで直ちに資産凍結されることはありませんが、意思確認ができないと判断されれば、金融機関などでは取引が制限されます。

Q. 任意後見契約は何歳から結べますか?
A. 成人であればいつでも結べます。むしろ60代〜70代で元気なうちに契約しておくことが望ましいです。

Q. 家族信託と後見制度はどう違いますか?
A. 家族信託は自由度が高く、柔軟な設計が可能。後見制度は裁判所の監督下で行われるため安心感がある反面、自由度がやや低いです。


まとめ

認知症になると、本人の資産が凍結され、生活費や介護費の支払いが困難になったり、相続対策が滞ったりと大きな影響が及びます。大切なのは「元気なうちからの備え」です。任意後見制度や家族信託、生前贈与や遺言書など、家庭の事情に応じた対策を早めに検討しましょう。専門家の力を借りながら、トラブルのない老後と相続を実現する第一歩を踏み出してください。

資産凍結から親を守るには?

親が認知症になる前に、家族としてどんな準備ができるのか。家族信託という制度を使えば、万が一のときも大切な資産を守ることができます。

「おやとこ」では、家族信託の活用法や準備のステップを、わかりやすく専門家がサポート。親子の未来を守るための第一歩を踏み出しましょう。

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