1. はじめに
近年、「おひとりさま」の高齢者が増えています。結婚していない人や、配偶者・子どもがいない人だけでなく、身寄りが遠方にいる場合も「おひとりさま」として終活を考える必要があります。本記事では、おひとりさまが自分らしく安心して最期を迎えるための終活の進め方を紹介します。
2. おひとりさま終活の基本
(1) 自分の情報を整理する
終活の第一歩は、自分の情報を整理することです。以下のリストを作成し、信頼できる人に共有しましょう。
- 本人確認情報(氏名、生年月日、住所、マイナンバーなど)
- 重要書類(保険証、年金手帳、預貯金通帳、不動産関連書類など)
- デジタル遺品(SNSアカウント、メールアドレス、サブスク契約など)
(2) 財産管理と相続の準備
- エンディングノートを活用する
- 自分の希望や財産情報を記録する
- 遺言書の作成
- 遺言書がないと、財産が国庫に帰属する可能性がある
- 公正証書遺言を作成すると、法的効力が確保できる
(3) 介護・医療の準備
- 任意後見制度の利用
- 判断能力が低下した際に代理人を指定できる
- 延命治療の意思表示
- 「リビングウィル」などで希望を明確にしておく
- 医師や介護施設に事前に意思を伝えておくことが重要
- 延命治療の選択肢(人工呼吸器の使用、心肺蘇生の実施、経管栄養の継続など)を具体的に検討する
- 可能であれば、医療代理人を指定しておくことで、自分の意思が尊重されやすくなる
3. おひとりさまの死後事務
おひとりさまの場合、亡くなった後の手続きを誰が行うのかを決めておくことが重要です。家族がいる場合は自然と親族が手続きを引き継ぎますが、おひとりさまの場合、適切な人を事前に選んでおかないと、役所への届出や財産整理、住居の片付けが滞る可能性があります。これらの手続きが適切に行われないと、家財が放置される、口座凍結により未払いの費用が発生するなど、トラブルにつながることもあります。
さらに、誰も対応しない場合は自治体が関与することになり、最低限の措置しか取られず、希望通りの供養や手続きが行われないケースもあります。例えば、無縁仏として扱われる可能性や、希望とは異なる形で遺骨が処理されることも考えられます。そのため、生前に信頼できる人や専門家に依頼し、死後の対応が確実に進められるように準備することが大切です。
(1) 死後事務委任契約を結ぶ
- 自分が亡くなった後の手続きを専門家(行政書士・弁護士)や信頼できる人に依頼する
- 契約内容には以下を含める
- 役所への死亡届の提出
- 葬儀・火葬・納骨の手配
- 住居の片付けや遺品整理
(2) 葬儀・供養の準備
- 自分の希望に合った葬儀方法を決める
- 直葬(火葬のみ)、家族葬、合同供養など
- 納骨先を決める
- 永代供養墓、樹木葬、散骨など
4. 人とのつながりを作る
おひとりさま終活では、信頼できる人を見つけることが大切です。
(1) 地域の終活支援サービスを活用
- 行政やNPOが提供する「見守りサービス」や「終活相談窓口」を利用する
(2) 終活仲間を作る
- 終活カフェやシニア向けコミュニティに参加することで、同じ立場の人と情報交換ができる
5. まとめ
おひとりさま終活は、計画的に準備を進めることで、万が一の際も安心して暮らすことができます。エンディングノートに希望を記録し、死後事務委任契約を活用することで、自分の意思に沿った手続きがスムーズに進むようになります。また、財産管理や医療・介護の意思表示を明確にすることで、信頼できる人に負担をかけずに済むでしょう。自分らしい最期を迎えるために、今から少しずつ準備を始めてみてはいかがでしょうか?





