相続放棄手続きを自分で進める際の全ステップと注意事項

相続放棄手続きとは?

相続放棄とは、亡くなった人の財産や借金を一切引き継がないと家庭裁判所に申立書を出して申し出ることです。たとえば、親が多額の借金を残して亡くなった場合、その借金を引き継ぎたくないときに使える制度です。

相続放棄の手続きを自分で進める流れ(初心者向け)

  1. 家族が亡くなったことを知る
  2. 財産や借金がどれくらいあるか調べる
  3. 相続放棄するかどうか考える
  4. 必要な書類を集める
  5. 書類を家庭裁判所に提出する
  6. 裁判所からの質問に答える(照会書に返答する)
  7. 相続放棄が認められる

他の選択肢も知っておこう

  • 単純承認:財産も借金も全部引き継ぐ
  • 限定承認:財産の範囲内で借金を引き継ぐ(手続きがやや複雑)
  • 相続放棄:一切の相続をしない(今回のテーマ)

準備から提出までの詳しい手順

まずは財産や借金の調査

預金通帳や請求書、借用書、税金の通知などを集めて、プラスの財産とマイナスの借金を調べましょう。必要があれば、信用情報機関(CIC、JICC、全国銀行個人信用情報センター)に問い合わせて借金の有無を確認する方法もあります。

書類をそろえる

  • 被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで)
  • 自分の戸籍謄本
  • 相続放棄申述書(家庭裁判所の書式)
  • 収入印紙(800円)
  • 郵便切手や返信用封筒(裁判所によって違う)

相続放棄申述書の書き方(記入例あり)

相続放棄申述書には、以下のような内容を記入します。

  • 自分の氏名・住所・生年月日
  • 被相続人(亡くなった人)の氏名・死亡日・最後の住所
  • 被相続人との関係(例:父、母、兄など)
  • 放棄の理由(例:「被相続人に多額の借金があるため相続を望まない」など)

記入例(抜粋)

被相続人氏名:山田 太郎
死亡日:令和6年1月10日
最後の住所:東京都〇〇区△△町1丁目1番1号
続柄:父
申述の理由:被相続人には借金が多く、相続による負債の引き継ぎを望まないため。

文字は楷書ではっきりと記載し、訂正箇所がないように注意しましょう。書式は裁判所のホームページ(例:東京家庭裁判所)からPDF形式でダウンロードできます。各家庭裁判所の記入例も掲載されているので、確認すると安心です。

提出方法とどこに出すか(提出先検索方法)

被相続人(亡くなった人)の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に、郵送か持参で提出します。提出先の裁判所は「〇〇 家庭裁判所 管轄」などで検索できます。裁判所の公式サイトに「管轄検索ツール」が用意されていることもあります。

手続きの期限に要注意!

相続放棄は、家族が亡くなったことを知った日から3か月以内にしないといけません。この期間を「熟慮期間」と言い、過ぎると借金も含めて相続することになります。

相続放棄が認められないケース

  • 放棄前に財産を使ったり売ったりした
  • 書類の内容に間違いや不足があった
  • 期限を過ぎて提出した

専門家に相談したほうがいい場合

以下のようなときは、弁護士や司法書士に相談するのがおすすめです。

  • 借金が多くて調べきれない
  • 相続人が複数いてトラブルになりそう
  • 書類の作成が不安

無料相談窓口(終活と相続のまどぐち 法テラス や市区町村の法律相談)もあるので、活用してみましょう。

よくある質問(Q&A)

Q. 相続放棄をしたあとに財産が見つかったらどうなりますか?
A. 原則として、相続放棄後に新たな財産を取得することはできません。ただし、限定承認を選んでいれば財産の範囲内で精算できます。

Q. 相続放棄の撤回はできますか?
A. 一度認められた相続放棄は、原則として撤回できません。十分に確認してから申し立てましょう。

これから手続きする方へチェックリスト

相続放棄の手続きで押さえるべき3つのポイント

  • 3か月以内に手続きする(熟慮期間を過ぎない)
  • 必要な書類を正しくそろえる(戸籍・申述書など)
  • 家庭裁判所へ正確に提出し、照会書に対応する

まとめ

相続放棄は「借金を引き継ぎたくない」ときに使える重要な制度です。必要な書類を準備し、3か月以内に家庭裁判所へ手続きを行うことが大切です。書類の記入や提出方法に不安がある場合でも、記入例やチェックリストを参考にすれば、自分で進めることも可能です。万が一トラブルになりそうな場合や判断に迷ったときは、専門家へ相談することも検討しましょう。

相続放棄の手続きは、早めの準備と正確な対応が成功の鍵です。この記事がその第一歩となれば幸いです。