夜。外は雪。 突然、家の電気がすべて消えた――。
暖房が止まり、部屋は一気に冷え込みます。 医療・介護機器のランプが消えた瞬間、 「これって…大丈夫なの?」と、胸がざわつく。
在宅で介護をしていると、 停電=不便では済まないことを、どこかで分かっているからこそ、 考えないようにしていても、ふとした瞬間に不安がよぎるのではないでしょうか。
- 在宅介護中で、医療・介護機器を使っている
- 冬の大雪や停電のニュースを見るたびに、心が落ち着かなくなる
- 「非常電源が大事」と聞くけれど、正直どこまで必要なのか分からない
この記事では、 「停電が起きたら在宅介護はどうなるのか?」を感情面・現実面の両方から整理し、 命を守るために“今の生活の延長でできる備え”を、できるだけ分かりやすくまとめています。
停電時に影響を受ける医療・介護機器を把握する

停電対策というと「非常電源を買うこと」を思い浮かべがちですが、 本当に大切なのは 止まったら命・生活に直結するものを知ること です。
停電時に特に影響が大きい機器の例
- 人工呼吸器・在宅酸素療法機器
- 吸引器(たん・唾液の除去)
- 経管栄養ポンプ
- 電動介護ベッド(体位変換・起き上がり)
- 電気毛布・加湿器(冬場の低体温・乾燥対策)
中でも呼吸・吸引・栄養に関わる機器は、 数十分〜数時間の停止でも命に関わる可能性があります。
「これは停まっても大丈夫」「これは絶対に止められない」 という線引きを、家族全員で共有しておくことが重要です。
非常電源の準備チェックリスト【保存版】
① 医療・介護機器の把握チェック
| 項目 | 内容 | 優先度 |
|---|---|---|
| 使用中の医療・介護機器を洗い出した | 人工呼吸器・吸引器・酸素濃縮器・電動ベッドなど | ★★★★★ |
| 停電時に停止すると命に関わる機器を把握している | 呼吸・吸引・栄養関連など | ★★★★★ |
| 各機器の消費電力(W)を確認した | 取扱説明書・メーカーHP | ★★★★☆ |
② 非常電源の準備状況チェック
| 項目 | 内容 | 優先度 |
| ポータブル電源を用意している | 容量・出力を確認 | ★★★★★ |
| バッテリー残量を定期的に確認している | 月1回以上 | ★★★★☆ |
| 延長コード・電源タップを準備している | 医療機器専用が望ましい | ★★★★☆ |
③ 停電時の行動確認チェック
| 項目 | 内容 | 優先度 |
| 停電時の使用順を決めている | 命に直結する機器を最優先 | ★★★★★ |
| 家族・介護者と役割分担を共有している | 誰が何をするか | ★★★★☆ |
| 非常時連絡先をすぐ出せる | 医療機関・訪問看護 | ★★★★☆ |
④ 逃げ道(限界ライン)確認チェック
| 項目 | 内容 | 優先度 |
| 何時間まで在宅対応できるか把握している | 電源残量ベース | ★★★★★ |
| 避難・搬送先を事前に決めている | 病院・施設 | ★★★★☆ |
| 地域の電力優先復旧対象か確認した | 事前申請が必要な場合あり | ★★★★☆ |
⑤ 定期見直しチェック
| 項目 | 内容 | 優先度 |
| 半年に1回は見直している | 介護度・機器変更時 | ★★★★☆ |
| 機器が増えたら電源容量を再計算 | 将来変化に対応 | ★★★★☆ |
最低限これだけは押さえたい★★★ポイント

すべてを完璧に備えるのは大変です。 そこでまずは、これだけは外せない最低限のポイントを整理します。
★★★ 最優先で考えたい3点
- 命に直結する医療機器を止めない電源があるか
→ 呼吸・吸引・栄養関連は最優先 - 在宅で対応できる「限界時間」を把握しているか
→ ポータブル電源で何時間もつかを想定 - 限界を超えた場合の“次の行動”を決めているか
→ 病院・施設・親族宅など
この3点が決まっていれば、 停電時の判断が遅れにくくなり、パニックを防げます。
在宅介護で使いやすい非常電源の選び方
「どれを選べばいいのかわからない…」という声がとても多い分野です。 ここでは、在宅介護のご家庭が選びやすいように3タイプに分けてご紹介します。
| タイプ | 目安容量 | 向いている家庭 | 特徴 |
| 小容量タイプ | 300〜500Wh | 介護度が低め・短時間対策 | 軽くて扱いやすい。照明やスマホ充電向き |
| 中容量タイプ | 700〜1000Wh | 多くの在宅介護家庭 | 医療機器を数時間動かせる安心感 |
| 大容量タイプ | 1500Wh以上 | 医療機器への依存度が高い家庭 | 長時間対応できるが重さと価格は高め |
選び方の目安
- 人工呼吸器・吸引器を使っている方 → 中〜大容量タイプ
- 夜間や数時間しのげれば安心な方 → 中容量タイプ
- まずは最低限の備えから始めたい方 → 小容量タイプ
容量に余裕があるほど安心ですが、 「今の介護状況」と「これから数年」を想像して選ぶことが大切です。
停電時に慌てないための事前シミュレーション
非常電源を用意していても、 「どう使うか」を決めていなければ意味がありません。
事前に考えておきたいこと
- 停電したら最初に電源をつなぐ機器はどれか
- 家族・介護者の役割分担(誰が何をするか)
- 夜間・一人のときに停電した場合の対応
一度、昼間のうちに 「もし今停電したら?」と頭の中で流れを確認しておくだけでも、 非常時の安心感は大きく変わります。
今日できる行動(命を守るための行動)
停電は「いつか」ではなく、ある日突然起こります。 特に冬は、大雪・寒波による長時間停電が重なりやすい季節です。
今日やってほしいのは、たった3分。
- 今使っている医療・介護機器を紙に書き出す
- 停電したら「何時間まで在宅で耐えられるか」を考える
- 足りない非常電源があるかを確認する
「まだ大丈夫」と思っている今こそ、 命を守る準備を進めるベストなタイミングです。
次の寒波が来る前に、 今日中にチェックだけでも済ませておきましょう。




