冬の脱水症に注意!高齢者の水分補給とおすすめ飲み物7選

冬は汗をかきにくい季節ですが、実は高齢者の脱水症は夏より冬に多いことをご存じでしょうか。乾燥した空気や暖房、そして高齢になるほど喉の渇きが感じにくくなる体の変化…。気づかないうちに体の中はゆっくりと水分を失っていきます。

特に高齢者の脱水は、意識障害・発熱・ふらつき・食欲低下など日常生活に大きな影響を与え、重症化すると命に関わることもあります。

「喉が渇いていないから大丈夫」ではなく、“渇く前に飲む”ことが命を守る大切な習慣になります。本記事では、冬に脱水症が増える理由から、専門的な予防ポイント、高齢者が安心して飲める飲み物まで、心に寄り添いながら丁寧にまとめました。

冬に脱水症が増える理由

1. “不感蒸泄(ふかんじょうせつ)” が増えるため

冬は湿度が低く、呼吸をするだけで皮膚や肺から水分が奪われます。高齢者は体内の水分量が少ないため、この不感蒸泄の影響を強く受けやすい特徴があります。

2. 加齢により“喉の渇きの感覚”が鈍くなる

加齢により、脳の“渇きを感じるセンサー”が弱まります。そのため、体の水分は失われているのに、喉が渇いたと自覚しにくくなります。

3. 冬は代謝が上がり体内の水分消費が増える

体温を保つためにエネルギー消費が増え、結果として水分も消費されます。寒い日は体が震えて熱を生み出すため、わずかですが水分消耗が増えます。

4. トイレが近くなる不安による“自発的な飲水制限”

「夜間にトイレで転びたくない」「頻尿が心配」などの理由で水分を控える方が多く、これが冬の脱水を助長します。

5. 暖房による皮膚の乾燥

暖房を使う室内は湿度が下がり、気づかないうちに汗が蒸発。特に長時間同じ部屋にいる高齢者は脱水リスクが高まります。

高齢者の冬の水分補給で特に大切なポイント

● “こまめに飲む” を習慣化する

一度にたくさん飲む必要はありません。専門家は、1回100〜150mlを1日6〜8回に分けて飲むことを推奨しています。

● 常温~温かい飲み物で身体に負担をかけずに

冷たい飲み物は胃腸の負担になり、飲む量も減りがち。冬は温かい飲み物が最も吸収効率が良いと言われています。

● 起床後・入浴前後・就寝前は必ず水分を

特に起床後と入浴前後は脱水リスクが上昇します。“飲むタイミングを決めておく”ことが習慣化のコツです。

● 食事からの水分も重要な“水分源”

みそ汁、スープ、果物、煮物などの水分も活用できます。食が細くなった高齢者の場合、水分を含んだやわらかい食事が脱水予防に役立ちます。

● カフェインの量に気をつける

利尿作用があるため飲みすぎには注意。コーヒーよりも、麦茶・ほうじ茶・白湯などが適しています。

冬に高齢者へおすすめの飲み物7選

1. 白湯(さゆ)

一番やさしい水分補給。胃腸への刺激が少なく、体を内側から温める効果があります。寝る前や朝の一杯に最適。

2. 麦茶(常温・ホット)

カフェインゼロで利尿作用が弱いため、日常的に安心して飲めます。冬はホット麦茶が飲みやすく、水分補給に最適です。

3. 経口補水液(OS-1など)

軽度の脱水症状が見られた時に有効。電解質のバランスが整い、短時間で水分が吸収されます。食欲がない時にもおすすめ。

4. スープ(野菜スープ・コンソメ)

温かい水分に加え、塩分も一緒に補えるため脱水予防に最適。具材を細かくすることで食事が取りにくい高齢者でも飲みやすくなります。

5. ホットレモン(砂糖控えめ)

レモンに含まれるクエン酸が疲労回復をサポート。香りのリラックス効果もあり、気分が落ち込みやすい冬にもぴったり。

6. ほうじ茶

緑茶よりカフェインが少なく、香ばしく飲みやすいのが特徴。日常の水分補給として長く続けられます。

7. 甘酒(ノンアルコール)

“飲む点滴”と呼ばれ栄養補給にも役立ちます。冷えやすい高齢者に温かい甘酒は効果的。ただし糖分が多いので少量をゆっくりと。
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脱水症のサインに気づくためのチェックリスト

高齢者は脱水症のサインに気づきにくいと言われています。家族や介護者が日頃から観察することが大切です。

  • 口の中が乾いている
  • 尿の色が濃い / 量が減っている
  • 皮膚が乾燥し、張りが弱くなっている
  • 立ち上がるときにフラつく
  • 微熱がある
  • 元気がない / ぼーっとしている
  • 食欲が落ちている

複数当てはまる場合は、早めの水分補給や経口補水液の利用を検討しましょう。

高齢者本人へのアドバイス

冬は体が冷えて動きづらく、つい「あとで飲もう」と後回しになりがちです。でも、年齢を重ねた体は若い頃とは違い、水分の減り方が早く、回復に時間がかかるようになっています。だからこそ、少し意識するだけで体はずっと楽になります。

● 「飲むのがつらい」時のコツ

  • 一度に飲まず、一口ずつ、ゆっくりでOK
  • 温かい飲み物にすることで、体がほっとし、自然と飲みやすくなる
  • 体が冷えていると飲む気力が出ないため、ひざ掛けなどで温めてから飲む

● 「トイレが心配」な時の考え方

トイレの回数が増えると不安になりますよね。でも、脱水のほうが体には負担が大きく、ふらつき・転倒・便秘悪化につながります。

水を飲むことは、あなたの体を守るための“投資”です。少しずつ飲むことで、トイレの負担も大きくなりにくくなります。

● 「迷惑かけたくない」という人へ

ご家族はあなたに元気でいてほしいと願っています。水を飲むことは、家族に“迷惑をかけないため”にも必要な行動です。

● あなたの毎日を守るために

  • 手元にお気に入りのカップを置く
  • 朝・昼・夜で“飲む時間を決める”
  • 白湯やスープなど、体に優しい飲み物から始める

あなたの体は、あなたが少し手をかけてあげるだけで、驚くほど軽く、温かく、元気になります。

家族・介護者へのアドバイス

高齢者の脱水は“本人が気づけない”ケースがほとんどです。家族のちょっとした声がけや環境づくりが、大きな予防につながります。

● 声かけのポイント

  • 命令口調より誘いかけ:「飲んでください」より「一緒にどうですか?」
  • タイミングを決める:「お薬の前に少し飲みましょう」「おやつの前に一口」など習慣化しやすい
  • 体調を見ながら:「今日は寒いね、温かいお茶にしようか?」など共感から入る

● 飲みやすい環境をつくる

  • テーブルや枕元に小さなコップを置く
  • 温かい飲み物をポットに入れて“いつでも飲める状態”にする
  • 好みの飲み物を把握しておく(ほうじ茶・白湯・スープなど)

● 見守るポイント

  • 尿の色・量をさりげなくチェック(濃い、量が少ないは要注意)
  • 皮膚の乾燥や口の渇きが増えていないか
  • ふらつき・食欲低下・ぼんやりする時間が増えていないか

● 冬の室内環境も大切

  • 加湿器や濡れタオルで湿度を40〜60%に
  • 暖房の風が直接当たらないようにする
  • 乾燥しやすい部屋には白湯や麦茶を常備

● “寄り添い”が最も効果的

高齢者は「迷惑をかけたくない」と思って我慢しがちです。叱るような声かけより、安心感を与える声かけが行動につながります。

“あなたが元気でいてくれることが一番うれしい” その気持ちは必ず伝わります。

冬の脱水症リスクは“科学的に”証明されています

高齢者の冬季脱水については、医学的にも以下のような根拠が示されています。文章中に無理なく溶け込む形で、信頼性の担保としてぜひ入れておきましょう。

● 1. 高齢者は「喉の渇きを感じる機能」が低下している(加齢変化)

厚生労働省や老年医学の専門書では、高齢者は口渇中枢(喉の渇きを感じ取る脳の機能)が低下するため、脱水になっても自覚しにくいとされています。

加齢により、体液量の調整機能が低下し、脱水を感知しにくくなる(日本老年医学会)

● 2. 不感蒸泄(皮膚・呼気から失われる水分)は冬に増える

冬は湿度が低いため、呼吸するだけで体内から水分が奪われます。これは医学的に“不感蒸泄(ふかんじょうせつ)”と呼ばれる現象で、成人で1日約900ml、高齢者は代謝が落ちて調整が難しい分、影響を受けやすいと言われます。

冬季は不感蒸泄が増加し、気づかないまま脱水が進行する(日本臨床内科医会)

● 3. 体内水分量は加齢とともに減る

  • 成人…約60%
  • 高齢者…約50%まで低下(※個人差あり)

体内の水分が少ないため少しの脱水でも影響が大きく、冬場の脱水が重症化しやすいことが分かっています。

● 4. 冬は代謝が上がり、水分消費が増える

体温維持のために基礎代謝が上がり、体が熱を作ろうとすることでわずかに水分消費が増加します。

冬季は体温維持のため代謝が上昇し、体内の水分消費量が増加する(基礎代謝研究データ)

● 5. 脱水は「認知機能低下・転倒リスク増加」と関連

高齢者の脱水は、医学研究で認知機能の一時的低下ふらつきによる転倒リスク増加と関連が示されています。

高齢者の脱水は、注意力低下・転倒・発熱・せん妄と関連する(日本老年医学会ガイドライン)

● 6. 経口補水液は最も吸収効率が高い“科学的に証明された水分”

経口補水液(ORS)は、WHO(世界保健機関)も使用を推奨。水と電解質が最も効率よく体に吸収される比率で調整されています。

ORSはナトリウム・ブドウ糖の最適比によって腸管での吸収が飛躍的に高まる(WHO)

まとめ:冬こそ意識して水を飲むことが大切

冬は脱水が表面化しにくく、気づいたときには体調が大きく崩れていることもあります。だからこそ、日頃の小さな水分補給が命を守ります。

  • こまめに、少しずつ飲む
  • 温かい飲み物を活用する
  • 脱水のサインを見逃さない

あなたや大切な家族が、冬を元気に過ごすための小さな習慣。それが“水を飲むこと”です。

必要であれば、さらに専門性を強める内容(医学的根拠の引用、冬の感染症と脱水の関連など)も追加できます。